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2011年12月21日 (水)

Meetup社CEO スコット・ハイファマンインタビュー 第2回 ~草の根の対面コミュニティ・Meetup。

Meetupは、草の根のコミュニティなのです。

 あなたは日本でイベントを開催しているそうですね、どのようにイベントをオーガナイズしているのですか? とスコット氏はインタビュー中に私に尋ねてきた。ブロガーのトークショーが多いです、と私は答える。「興味深いテーマのブログを書いているブロガーに、イベントの開催を打診する。私たちのスペースには、ステージがあり、観客席があり、チケットを買ったお客さんがやってくる。そのような仕組みです。」

 すると彼は、ホワイトボードにステージと観客席がわかれた絵を描き、こういうことか? と聞いてきた。そうだと答えると、彼はこのように反応する。

 「ステージとオーディエンス。まるでテレビやミュージックコンサートのようですね。私はステージと客席が分かれた空間より、このような空間の方が好きです。」

 彼はホワイトボードに、たくさんの円を描きだしてこう言った。たくさんの円は、イベントのオーディエンスや主催者がステージとの境界なしに交流している様子を示したものだった。「会場にいる参加者が、お互いに話をして交流する。これがコミュニティです。Meetupとは、コミュニティなのです。」彼はやや興奮しながら、私に説明をした。

Whiteboard
スコット氏がホワイトボードに書いた「イベントとMeetupの違い」。
一番右の図はステージがあるイベントを示し、左の2つ図の円の集合は、
参加者がステージなどの境界を持たずに交流している様子を示している。
 


 それでは、Meetupとイベントの違いについて教えて下さい、日本人の多くは、Meetupは小規模のイベントのことだと誤解していると思います、と私は質問をする。

 「2つの大きな違いがあります。1つ目は、Meetupでは人々がお互いに会話をしているということ。たとえ、オーディエンスとステージが分かれて始まったとしてもです。オーディエンスが、ただのメディアコンシューマーになるのではなく、席も動くし、お互いに会話をする。イベントよりも、もっと、コミュニティに近いものです。」

 ではイベントとはどういうものでしょうか? 「例えば、ニルヴァーナが『Smells Like Teen Spirits』で “Here we are,entertain us(僕らはここにいるよ、さぁ、楽しませてよ!)” と歌っているでしょう? このように、イベントでは、参加者はチケットを買い、消費者として“entertain”される立場です。そして、全てのイベント参加者は、あくまで平等に扱われます。」


Logo_2
Meetup本社入り口にあるMeetupのサービスロゴ。「Meetup」の文字のフォントは
何10パターンとあり、社員の名詞に書かれるフォントはそれぞれ異なる。


 彼は、Meetupについて「グラス・ルーツ(grass roots/草の根)」という例えを頻繁に使った。

 「例えば、僕はニューヨークで、New York Tech Meetupをはじめました。このような集まりは以前 “アソシエーション” と呼ばれてました。例えば、New York media Associationというようにね。しかし、アソシエーションという単語は、とても古いニュアンスだし、トップダウンなイメージがあります。対して、Meetupはボトムアップなイメージを持つ、民主的な、草の根な単語です。一面の芝生の下に広がる根っこを思い浮かべてください。」

 Meetupは草の根のコミュニティだとのことですが、コミュニティの定義についてはどうお考えですか? たずねてみると、スコット氏は、次のように答えた。

 「例えば、映画好きが集まって、その映画について話をする。これだけではコミュニティとは言えないと思います。あるテーマについて、“お互いにお互いのことをよく知って”会話をしている、そして一緒に共同作業をしている、それがコミュニティです。たとえば、あなたのFacebookのフレンズやツイッターのフォロワーは、コミュニティだと思います。だけど、私は信じているんです。私たちがフェイス・トュー・フェイスで会うことがなければ、お互いの関係性は深まらないでしょうし、強いコミュニティは絶対に生まれません。」



I HATE ADS.

 「Meetup」は、スコット氏の指摘するとおり、クラシカルな、ステージとオーディエンスが分断された「イベント」とは異なるものだ。それを裏付けるように、Meetup.comは競合とされるイベント関連のWEBサービス――例えば、イベント告知機能を持つ「Facebook」や、イベント登録サービス「Plancast」や、イベントの発券サービス「eventbrite」などとは、色合いがじゃっかん異なる。イベントが比較的盛んな地域――サンフランシスコやロサンゼルスで取材してみても、これらの競合サービスをイベント告知にほとんど使っていないというMeetup.comのユーザーも多い。

 特に、中小規模の、技術系ではないコミュニティには、Meetup.comは強力なブランド力を有している。なぜこのようなブランド力を獲得できているのか。そして、他の競合サービスとの違いは、どこにあるのだろうか。

 「Meetup.comはコミュニティを作るために構築されてます。たとえば…僕も愛用しているFacebookは、あなたが既に知っている人とあなたをつなげるために素晴らしいサービスです。一方で、Meetupは、あなたがまだ知らない人々やイベントとあなたをつなげるのに最適なのです。Meetup.comは、登録しているイベントやコミュニティのネットワークなのです。」

 「例えば、シリコンバレーではたくさんのテック・ミートアップ(技術系の人たちが集まる、パーティやコンテスト、勉強会など)があります。そこであなたが新しいMeetupをはじめるとしましょう。すると、あなたが属するMeetupグループのオーガナイザーがその情報をMeetup.com上でチェックすることができます。そして、そのオーガナイザーは、50人の参加メンバーにその新しいMeetupの告知を出すことができます。そうやって、イベント同士のネットワークを元に、新しいイベントがおこっていくのです。」

Meetupgamen_2
Meetup.comの検索画面。郵便番号を入力し、ジャンルを検索すると
近郊で開催されるMeetupのレコメンドが表示される。関連イベントが
容易に見つかるのがMeetup.comの特徴。そしてイベントは、必ず主催する
コミュニティに紐づいている。


 他のサービスとの違いは、課金のポリシーにも強く現れている。多くのWEBサービスが、タイアップなどを含む広告収入を頼りにする中で、スコット氏ははっきりと宣言する。

 「I HATE ADS.(私は、広告が、大嫌いです。)」

 Meetup.comでは、グループの主催者が月額12ドルからの利用料を支払っているが、課金ユーザーの割合は、ユーザー全体の1%だと言う。

 「しかし、われわれにとっては、十分な収入です。ユーザーの負担もローコストにするべきだし、これ以上、値上げをするつもりもありません。いいプロダクトを作ってさえいれば、広告ビジネスに身を投じる必要はないのです」

(第3回に続く)

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