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2012年3月11日 (日)

君野倫子さんインタビュー(第3回)~ブクブク交換、Kimono*Girl…アメリカに飛躍するカルチャーイベント。

イベントをやる機会を与えてもらっただけでも、ありがたいと思っています。

  2010年5月、君野さんはロサンゼルスに引っ越した。執筆活動は、日本にいたときと変わらず続けている。「仕事の関係者みんなにSkypeを入れてもらって、打ち合わせはSkype。そんなに不自由は感じません。」そして、引越しから1年弱の時を経て、彼女はイベント「ブクブク交換」をロサンゼルスでスタートした。2011年の7月に第1回を開催し、2か月に一度のペースで開催されている。私が参加した11/27のブクブク交換は、3回目の開催だ。

  そして12/4には、自身初の着物ファッションショー「Kimono*Girl」を開催。東京・お台場で始まった彼女のイベントキャリアは、海を渡り、ロサンゼルスで、更なる飛躍を見せようとしている。

Kimono_flyer
Kimono*Girl フライヤー

 
 「いろいろアメリカで日本が紹介されているのをみて、私ならこうするのに、という想いが募っていったんです。私が、こういう会場で、こういう着物のショーをやりたいと頭に描いてたら、【そこまでアイディアができてて、やりたい会場も決まっているのに、なんでやらないの?】と周りの人に言われたんです。それで、Royal/Tという、私が着物のイベントをやりたいと思ってたギャラリーに話したら、すぐやりましょうという話になったんです。アメリカって、そういうところがあるんですよ。やりたいなら、やっちゃえばいいじゃんっていう。会場も、現場の人が権限を持っているから、日本みたいに【上に確認します】とか【会議にかけてから】にならず、すぐに決められる。そういうの、アメリカならではだなって、思いますね。」

Royalt
君野さんが開催を切望した「Royal/T」ギャラリー。ジャパニーズポップカルチャーの影響を受けた展示も多数ある。


 彼女がイベントをやろうと決め準備を始めると、ロサンゼルス中から、着物モデルのボランティアや、イベントを手伝うボランティアスタッフが集まりだしたという。モデルは当初予定していなかったオーディションも開催した。

  「ロサンゼルスは広くて、コミュニティが分散しているからなのか、カルチャーの匂いのするイベントがあまりないんです。だからかもしれませんが、イベントの内容とかコンセプトとか……KimonoとAmerican Vintageというテーマをおもしろいと言ってくれて。集まる人もクオリティが高くて、みんな、よく動いてくれるんです。プロ意識の高い人たちが集まってくれて。何より楽しんでくれているのが嬉しいですね。」

Staff
設営に関わるスタッフはボランティアで参加。日本人とアジアンアメリカンが多い。


 どうやってそれだけの人を集めたのかとたずねると、彼女は首をかしげながら「うーん、どうやってなんだろう?」と、答える。

  「私、けっこう引きこもりなので、あまりいろんなとこに顔を出したわけでもないし……けど、自然と、だんだんと仲間が増えてきた感じです。でも、こんな人がいてくれたらいいな、ということは口に出して言ってたと思います。それで人が人を呼んできてくれるというか……やっぱり人とのつながりが一番大切ですよね。」

 イベントのスタッフからは「倫子さんのイベントに関わってネットワークが一気に増えた」とか、「倫子さんの雰囲気に、人が寄ってくるんじゃない?」という声も聞こえてきたという。

  「Kimono*Girl」開催前にイベントへの意気込みを聞くと、自然体な表情で、君野さんはこう答えてくれた。

  「アメリカでは私なにもしてなくて、初めてやる大きなイベントなので、こういうことできる機会をもらえただけでありがたいって思ってるんです。でも、さっきも言いましたけど、なんでやるの? って聞かれると困ってしまう。やりたいからやるんです、他に何があるんですか? と。あ、だけど、これがうまくいったら、日本にイベントを逆輸入したいです。【Kimono*Girl】をカルチャーカルチャーでできませんか?」

Kiminokimono
Kimono*Girlに参加したモデルも、ボランティアで参加した。


 日本発のカルチャーをアメリカへ。そしてまた、日本へ。お台場で始まった彼女のカルチャーイベントづくりへの挑戦は、太平洋をまたにかけて、新しい熱気を生み出しつつある。

 「ブクブク交換」の会場に車がつく直前に、君野さんは笑顔で私に、こう言った。

 「本当のことを言うと、私、染五郎さんのイベントを、アメリカでやりたいんです。」

 彼女は続ける。「私が歌舞伎にはまった舞台は、染五郎さんの舞踊だったんです。まったく日本舞踊なんて見たことなかったんですが、染五郎さんの舞踊を初めてみたとき、『なんだ、これは!! なんだ、この人は!』とただただ感動して、3回くらい観に行きましたね(笑)。特に染五郎さんの創作舞踊がものすごくぶっ飛んでて! 最高なんです。あの創作舞踊をアメリカのダンスや舞台好きな人たちに観てもらいたいな……と。アメリカ人が『Cool!!!!』って叫ぶ姿が眼に浮かぶんですよね(笑)。それが私の夢ですね。」

  なんでやらないの?  やればいいじゃない。いつか、市川染五郎さん本人にそう言われる日も、本当に来るのかもしれない。熱い日差しが照りつける11月末午後のフリーウェイに車を走らせる君野さんは、アクセルを踏みしめながら、まっすぐと、前を見据えていた。

(インタビュー、構成、撮影/河原あず 東京カルチャーカルチャー

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